2026年5月16日(土)、北海道・函館市民会館 大ホール。完売御礼のフロアが静まり返り、開演の合図とともに歓声が爆発した。aikoの全国ツアー『Love Like Pop vol.25』、第29公演目──そして函館では2005年「LLP8」以来、実に21年ぶりの凱旋ライブだった。
3時間半に及ぶロングセット、函館名物「いか踊り」を計30分。最後は涙、笑い、そして父親の珍ハプニングまで。aikoのライブはなぜここまで人の心を掴むのか、その答えがこの夜、函館にあった。
函館ライブ終わりました♡21年ぶりに函館でライブが出来て本当に嬉しかったです!合計すると多分30分くらいみんなでイカ踊りを踊ったすごいライブだった笑
— aiko official🥔 (@aiko_dochibi) May 16, 2026
イカとみんなの手のひらの上で踊らされて🫶こんなにイカとみんなを愛おしいと思った日はない♥️♥️♥️ばくゆ!ありがとうございました! pic.twitter.com/DRnCaX0Zvx
21年越しの「次に逢える約束」
aiko自身が公式SNSで投稿した一文がすべてを物語っている。
「函館ライブ終わりました♡21年ぶりに函館でライブが出来て本当に嬉しかったです!」
2005年の『LLP8』以来、函館の地を踏まなかった21年。その間、aikoは数えきれないシングル・アルバムをリリースし、ファンも世代を超えて増え続けた。会場には当時を知るベテラン勢から、親に連れられて来た若い世代まで、年齢層がきれいに混ざり合っていたという。
合計30分の「いか踊り」が会場を一つにした
函館の郷土芸能「いか踊り」。地元の港まつりで踊られる軽快な振り付けを、aikoはライブの随所で繰り返した。本人いわく「合計すると多分30分くらいみんなでイカ踊りを踊った、すごいライブだった笑」。
ステージと客席の境界が溶けるような一体感。aiko本人もInstagramで「イカとみんなの手のひらの上で踊らされて🫶こんなにイカとみんなを愛おしいと思った日はない」と興奮を綴っていた。
地方ライブでよく見る「ご当地ネタ」は、ともすれば取って付けたようになりがちだ。だがaikoの場合、本気で楽しみ、本気で踊る。だからこそ函館のファンも、「ホームに帰ってきてくれた」と感じたのだろう。
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「それは私のお父さん」──ハプニング転じてエピソードに
ライブの途中、客席で高齢男性が倒れ込む場面があった。会場の空気が一瞬凍る。だがaikoは即座にマイクで状況を確認し、こうコメントしたという。
「それは私のお父さんです。本当にありがとう」
後日、aikoが自身のSNSで詳細を明かした。「心配かけてもてごめんなさい お父さんはお尻が攣ったらしいです イカ踊りがめっちゃ良い運動だったんだと思います」──シリアスな状況を一瞬で笑いに変える、彼女らしい返し。
父親思いで知られるaiko。函館の地に父親を連れてきていたという事実が、ファンの胸を熱くした。そして駆け寄って助けてくれた周囲のファンへの感謝を、本人が何度もSNSで発信している。
ツアー『Love Like Pop vol.25』ここまでの軌跡
『Love Like Pop vol.25』は2026年1月25日の広島公演からスタートした、全国19都市21会場・全37公演のロングホールツアー。前回ツアー『LLP24』から約2年ぶりとなる、aiko渾身の長丁場である。
北海道での開催は5月14日札幌(hitaru)と5月16日函館の連戦。札幌に続いて函館も完売で、北海道のファンの熱量を改めて見せつけた格好だ。
ツアーは6月まで続き、京都・愛知ほか主要都市での公演が予定されている。
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「ばくゆ」の力──aikoがファンと築いてきた20年超
aikoはファンを「ばくちゃん」、ライブを「ばくゆ」(=爆裕?≒爆発的に裕福な時間、の意とも)と呼ぶ。デビューから27年、彼女が一貫してきたのは、「ファンとの距離を縮めること」。
MCで日常の小ネタを語り、SNSでは飼い犬や手料理の写真を当たり前のように上げる。スターでありながら、隣のお姉さんのような近さ。21年ぶりの函館で起きた父親ハプニングと、それをユーモアで受け止めた彼女の対応は、その距離感を象徴する出来事だった。
函館の夜が、また一つの伝説になった
21年ぶりの函館。30分のいか踊り。父親のお尻と、ファンの優しさ。3時間半の音楽。そして「次に逢える約束」。
aikoは函館を去る前、こうメッセージを残している。「函館でまた”次に逢える約束”をして」──次は21年も待たせない、そんな約束に聞こえた。
北海道のaikoファンにとって、2026年5月16日は長く語り継がれる一夜になったはずだ。チケットを取れた人も、取れなかった人も、SNSに溢れる感想を眺めながら、それぞれの形でこの夜を共有している。
音楽が、土地を、人を、世代を、こんなにも軽やかに結びつける。aikoのライブが証明し続けているのは、結局のところ、ただそれだけのシンプルな真実なのかもしれない。



