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【速報】ヒグマ駆除で猟銃取り上げは「違法」──砂川ハンター、最高裁で逆転勝訴

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2026年3月27日|北海道ニュース

砂川猟銃訴訟で逆転勝訴した北海道のヒグマ駆除ハンターをイメージしたイラスト

7年間、銃を奪われたハンターがついに勝った。

北海道砂川市のヒグマ駆除をめぐる猟銃許可取り消し訴訟で、最高裁第3小法廷(林道晴裁判長)は3月27日、北海道公安委員会の処分を「違法」と断じ、原告・池上治男さん(77)の逆転勝訴を言い渡した。

猟銃所持の許可取り消しについて、最高裁が違法と判断したのは史上初

全国のハンターに直結する画期的な判決だ。

事件の経緯──市に頼まれて撃ったのに

2018年8月、北海道猟友会砂川支部長の池上さんに砂川市から連絡が入った。

「ヒグマが出没した。駆除してほしい」

池上さんは警察官立ち会いのもと現場に出動し、ライフル銃1発でヒグマを駆除した。

市の要請に応え、住民の安全を守ったはずだった。

ところが翌2019年、北海道公安委員会は「発砲した弾丸が住宅に届く恐れがあった」として、池上さんの猟銃所持許可を取り消した

自治体に頼まれ、警察官の立ち会いのもとで撃ったのに、銃を取り上げられる。

あまりにも理不尽な処分だった。

裁判の流れ──1審勝訴、2審で逆転敗訴

池上さんは処分の取り消しを求めて提訴。

1審・札幌地裁は池上さんの訴えを全面的に認め、処分は違法と判断した。

しかし2審・札幌高裁は一転、「跳ね返った銃弾が人に当たる危険性もあった」として処分を適法と判断。池上さんは逆転敗訴し、上告していた。

最高裁の判断──「ハンターを萎縮させる酷な処分」

林道晴裁判長は判決で、こう指摘した。

池上さんの発砲に危険性があったことは否めない。

しかし当時の発砲は公務員による要請があり、公務員による警護のもとで行われたものだった。

そのうえで、北海道公安委員会の処分について「酷な処分で、民間のハンターが発砲することをためらわせ、萎縮させている」と断じ、処分は相当性を欠く違法なもの(権利の濫用)と判断。札幌高裁判決を破棄し、処分の取り消しを命じた。

池上さんの声──「全国のハンターに理解を示してくれた」

判決後、池上さんはこう語った。

「裁判長はハンターにとって当たり前のことを言ってくれた。
北海道だけでなく全国のハンターに対し裁判長が理解を示してくれた

7年ぶりに、池上さんは再び猟銃を持つことができるようになる。

北海道が抱える「ヒグマ問題」への影響

この判決は、北海道に暮らす私たちにとって他人事じゃない。

近年、ヒグマの市街地出没は急増している。2023年には道内でクマによる人身被害が過去最多を記録。

各地の猟友会が自治体から駆除要請を受けるケースは年々増えている。

しかし今回の砂川の件のように「駆除で撃ったら銃を取り上げられる」という前例があったことで、多くのハンターが駆除要請を拒否する事態にまで発展していた。

最高裁が「自治体の要請で駆除した発砲を理由に許可を取り消すのは違法」と明確に示したことで、全国のハンターが安心して駆除に臨める法的根拠ができた。 

この意味は極めて大きい。

北海道で電気工事の出張をしていると、地方の現場でクマの目撃情報を耳にすることは珍しくない。地域の安全を守るハンターの存在がどれほど大きいか、現場にいると肌で感じる。

今回の判決が、北海道のヒグマ対策の転換点になることを願ってやまない。

出典:毎日新聞/時事通信/北海道新聞/TBS NEWS DIG(HBC)/日本経済新聞/日テレNEWS NNN(STV)/産経新聞──いずれも2026年3月27日配信